トップ > ブログ de グランプリ > 谷隆一の「僕だってこんな本を読んできたけど…」

谷隆一の「僕だってこんな本を読んできたけど…」

<<メインページ

ゴールは偶然の産物ではない――FCバルセロナ流世界最強マネジメント フェラン・ソリアーノ

2010/06/30

W杯・日本敗戦に、すぐこの本を思い出した
PKは運? サッカー、経営……この不条理なるものよ

先に『ブブセラ』を取り上げたので、その流れで、もう一つサッカーものを。

昨夜(厳密には今朝)、日本の2010年ワールドカップが終わりました。日本としては初めて"やりきった感"のあるワールドカップ。PK戦は非情でしたが、(少なくとも私は)どこかすがすがしい気分でいます。

その理由はもちろん、ここまで楽しませてもらえるとは思っていなかったからですが、大会直前に方針転換した"急造チーム"には、この終わり方がふさわしいような気もしているんです。付け焼き刃ではそうそう勝ちきれない。だからこそ、ワールドカップには価値があるんです。8強に残ったブラジル、アルゼンチン、ウルグアイ、スペイン、ドイツ、オランダ、ガーナ......。どこも、点を取りにいくときの迫力はスゴい(あえてパラグアイは割愛)。16強と8強の間に、高い壁を感じます。

それはともかく、日本戦が終わってすぐに(というかPK戦になってすぐ)、つい先月読んだばかりの『ゴールは偶然の産物ではない』(アチーブメント出版)という本のことを思いました。冒頭に出てくる、「2008年チャンピオンズリーグ決勝戦のPK戦でチェルシーのテリーが外したのは不運だったからなのか」という指摘が面白く、著者は、勝利を追求するには原則を大切に、可能性が高いほうを選択し続けるべきだと力説します。

テリーについて言えば、クラブを象徴する存在とも言うべき彼が最後のキッカーを務めるのはあまりにも負担が大きかったのではないか、ということになるのですが、では、今朝の日本戦はどうだったのでしょうか。

キッカー5人は、普段の練習やスキル、メンタル面などから総合的に選ばれたのでしょう。詳細を知らぬ者が、その選択の是非を語ることはできません。

しかし、できないのを承知で言いたくなるのもファン心理。フレッシュなFWがいたじゃないか(玉田、微妙だけど岡崎)、テクニシャンもいたでしょ(中村憲剛)、な~んて。

あ、そうそう、本の中身にぜんぜん触れてませんでしたが、これは、スペインの名門クラブ「FCバルセロナ」の経営再建にかかわった方の著書です。当然サッカーが話題になってますが、中身は完全な経営本です。お間違いなく。個人的には、経営本として、結構参考になりました。

蛇足ながら、"ドーハ"で号泣し、"ジョホールバル"で感涙し、前回ドイツで憤慨した私ですが、今回のPK戦に負けたことは案外すんなりと受け入れられました(いずれもテレビ観戦ですが)。しかし、駒野に肩をまわして号泣する松井の姿にはやられました。美しい光景でしたね......。あのシーンは、一生忘れないでしょう。

※チャンピオンズリーグやテリーに関して、詳細は、同本の紹介ページをご参照ください。
http://www.achibook.co.jp/book/goal.htm

<<メインページ