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小埜あかねの「きもちのいい節税」

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会社設立! その2 ~1年目の赤字は来年に活かせ!! の巻~

2009/08/06

ハチミツさん一家のパパさんは、念願だったケーキショップを開くため、勤めていたホテルを退職、先日、『株式会社Haney Bee』の設立登記手続きも完了しました。
いよいよ本格的にお店の準備にとりかかっているパパさんは、おいしいケーキのかなめになるこだわりのフルーツや製菓材料を求めて全国を飛び回り、試作品作りを始めています。

パパ「お店の工事も終わったし、材料の発注も済んだし、開店スタッフも揃ったし...。あとはおいしいケーキを作るだけだな!」

......机の上にひろがっているたくさんの請求書や領収書をみていたママさんが。。

ママ「最近いろいろ支払いが多いみたいだけど、お金の管理は大丈夫?!」

......今日もシビアなポイントを指摘してくるママさん。。。

パパ「大丈夫!! 通帳とにらめっこして、残高は確認しているし、お店だってレジを買ってあるし。万全だよ!」

......自信満々ですが。。通帳とにらめっこだけでホントに大丈夫ですか?

ママ「それなら安心ね!! それに今年は支払いが多いから赤字だものね!」

......え~~~っ?! 頼りのママさん! しっかり見てください!

会社を設立して新しいお店を始めるとなると、いろいろ忙しくて地味な作業は後回しになってしまいがちですが、その地味な作業が後々大切になってくるのです。

◎設立当初が赤字なら青色申告法人になるべし!!

――設立1年目が赤字になるのはよくあることです。
「来年、利益がちゃんとでるようになったらしっかり管理して、申告しよう!!」 なーんて考えている方もいるようですが......。 それではせっかくの青色申告の特典が活かせません。

赤字であるなら、赤字であることをしっかり証明しておけば、翌期以降利益がでたときに相殺してくれる制度《青色欠損金の繰越控除制度》があるのです。

"赤字であることを証明する" とは、ざっくり言えば、複式簿記による正確な帳簿に基づいた法人税の申告書を申告期限までに提出するということです。

青色事業年度において生じた欠損金(つまり赤字相当部分)は、その翌事業年度以降の利益を限度として相殺してくれます。しかも、繰越期限は7年間(黒字化するまでに時間がかかっても大丈夫! あまり時間がかかるのも考えものですが。。)

簡単に言えば、1期目の欠損が50万円で、2期目の利益が80万円なら、80万円から50万円を控除した30万円に法人税が課せられることになるということです。

そのためには、青色申告法人であることが大前提です。

◎青色申告法人になるには?

新設法人の場合は、通常、設立の日から3カ月以内に「青色申告の承認申請書」を所轄の税務署に提出すればOKです(設立初年度が3カ月未満の場合は例外がありますのでご注意ください)。
さらに、青色申告の要件としては、帳簿の記帳など経理関係の整備も必須条件です。
単に領収書や請求書を見せて「お金をたくさん支払ったから絶対赤字なんです!」というだけでは青色申告の特典を受けることは認められません。

◎事務手続きはまとめて一気に!!

法人を設立したら、上記の申請と同時に、*設立届出書 や *給与関係の届出書 などを税務署に提出しておく必要があります。このほかにも必要に応じて提出書類がありますので、それぞれ確認しておかなければなりません。

社会保険への加入の際には設立届出書控えの提示が求められますので、必ず税務署の収受印が押された「控え」を保管しておく必要もあります。
さらに給与関係の届出を怠ると、給与から天引きする源泉所得税の納付手続きにも影響がでて、思わぬ延滞税が発生したりしますので要注意です。

また、税務署だけでなく、地方税の所轄事務所にも届出が必要です。例えば東京23区であれば、各都税事務所になります。

こういった届出書関係の手続きはめんどうで地味な作業ですが、提出期限もあることなので後回しにせずに早めに対応しましょう!

会計事務所では、これらの届出書類はほとんど電子申請(e-Tax)で行うことが可能になっていますので、税理士にご相談いただくのも近道です。

パパ「大変だ~。ひと月前に登記が完了しているから急がなきゃ!」

......急に慌てだしたパパさんを見て。。。

ママ「大丈夫よ! 私だってOL時代にちょっとだけ経理やったことあるし。」

......OL時代とすると、ざっと20年前ですか? ちょっと心配ですが、期待しましょう!

パパ「これからはママが株式会社Haney Beeの"財務大臣"だね!!」

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