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小埜あかねの「きもちのいい節税」

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会社設立! 決算月はいつにする? の巻

2009/07/07

パティシエとして働いてきたハチミツさん一家のパパさんは、念願だった自分のお店を開くことを決意して、勤めていたホテルを退職。
自分のお店を持つ夢のために貯金もしてきたし、最適な場所も見つけました。

しかし会社をつくって社長となるからには、やらねばならないことがテンコ盛りの日々です。
従業員を雇ったり、銀行や仕入先との交渉をしたり、役所の手続もやらなくてはなりません。
毎日慣れない仕事に奮闘しています。

パパ「明日、司法書士さんに会社の設立手続のお願いに行ってくるぞ!」

ママ「いよいよねー。パパも"社長"かぁー」

......パパさんが準備している書類を見ながら...

ママ「あら? 会社の決算月が12月になってるけど、いいの?」

......のんきに感慨にふけっているわりにはスルドイ指摘...

パパ「だって、わかりやすいし。決算っていえば12月とか3月だろう」

......国内法人では3月決算が多いのは確かです...

ママ「でも、12月は1年でいちばん忙しい時だし」

......ケーキ業界にとってクリスマスは勝負の季節ですね...

ママ「それに、いま9月だからすぐに決算になるんじゃない?」

......そのとおりです。 またまたスルドイ!...

法人を設立するときに決めるべきことはいくつかありますが、決算月の決定には税金の面からも検討すべきポイントがいくつかあります。

◎決算月は繁忙期を避けるべし!

――決算が近づくと、決算対策を考えたり、在庫のチェックや支払関係のチェックなど、日頃よりも多くの煩雑な業務が発生します。 
なるべくなら忙しい時期をさけるのが賢い選択といえます。

◎開業日から最初の決算月まではなるべく長いほうがベター!

――例えば10月に会社を設立するのに、12月決算にしてしまうとたった2カ月で決算となります。
わずか2カ月とはいえ、通常の決算処理と同じ手続が必要となり、手間ひまがかかるだけでなく、その後の消費税の納税義務にも影響してきます。

消費税法では資本金が1000万円未満の法人は設立第1期と第2期は消費税の免税事業者となる規定があります(会社を設立しようとお考えの方はよくご存知だと思います)。

つまり、1期目と2期目の免税期間が長いほうが、それだけ節税につながります。
たった2カ月でも第1期と考えますからね。

しかも、この2カ月でおよそ200万円の売上があれば、年換算で1000万円超の規模となり、第3期目(設立から14カ月後)から消費税の課税事業者となります。
なんだか少し損した気分になりませんか?

☆ただし、輸出業者などやその他特定の場合はこの考え方にはあてはまりませんのでご注意ください。

◎資金繰りで考えるなら納税時期の集中を避けるのもひとつの考え方!

――中小法人の場合、決算期から2カ月以内に、法人税、消費税、地方税を納付しなければなりません。同じ時期に、労働保険の納付や年払いの保険料などの支払が重なると、わかってはいても資金的にはプレッシャーを感じることにもなります。よって、あらかじめわかっている支払時期を避けておくのも得策なのです。

パパ「なるほど~。とりあえず年末だから決算ってわけじゃないんだ! そうすると、2月はバレンタイン、3月はホワイトデー、10月はハロウイン、12月はクリスマス......。会社が設立できるのも9月だし。よしっ! 決算は8月にしよう!」

ママ「そうね!! わたしもフラワーアレンジの仕事を続けるけど夏ならそんなに忙しくなくて決算の手伝いもできるわ!」

パパ「えっ?! ママはお花屋さんの仕事辞めないの?」

ママ「もちろん! パパは会社辞めたし、お店の開業資金の足りない分も借金したし、会社が軌道にのるまでは安心できないもの!」(きっぱり...)

......頼もしいパートナーです...

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